ファスティングで眠れなくなる理由と対処法について解説

ベッドで横になる女性

ファスティングで一時的に断食を行うと、体には様々な症状が現れることがあります。

その1つが眠れなくなるということ。

断食で空腹を抱えているうえに眠れなくなるのは非常につらいですね。

眠れなくなるには体内のメカニズムが関係しています。

こちらの記事では、ファスティングで眠れなくなる理由とその対策、さらにファスティング後の睡眠についてもご紹介しています。

最後まで読んでいただき、ぜひ参考にしてください。

ファスティングで眠れなくなる理由

眠れない女性

ファスティングで眠れなくなる理由についてお伝えします。

不眠には体内のメカニズムが関係しています。

ファスティングで体内の状況が変化することにより、眠れないという症状になることがあります。

まずは不眠と体内のメカニズムを理解することにより、対策が立てやすくなります。

詳しくご紹介します。

体内のメラトニンと自律神経のバランス

眠りには体内のメラトニンと自律神経のバランスが大きくかかわっています。

メラトニンとは脳から分泌されるホルモンで、私たちの睡眠リズムをコントロールするホルモンです。

夜、メラトニンが分泌されることにより、深部体温が低下して眠気を感じるようになります。

またメラトニンは自律神経を調整する作用もあります。

ファスティングにより一時的に食事が変化することで、体内のメラトニンの分泌が低下することで、眠りにくくなるという症状があらわれるのです。

エネルギー不足

ファスティングは食事の制限がかかるため、体内のエネルギーが不足しやすい状態になります。

前述のメラトニンは日中に分泌されるセロトニンが変換されるのですが、このセロトニンの生成には乳製品や肉類、穀物に含まれるアミノ酸から作られます。

ファスティング中はこれらの食品が摂取できないため、セロトニンが生成されにくく、結果睡眠ホルモンであるメラトニンが分泌されないという状況になります。

そのため、眠れないという状態になってしまいます。

また、寝るという生理機能そのものにもエネルギーが必要です。

特に普段運動不足の人や、男性に比べて筋肉量の少ない女性は、もともと体内に蓄えられているエネルギーが少ないため、エネルギー不足が起こりやすくなります。

体内のエネルギーが不足すると、体がストレス反応を起こし、それが不眠につながります。

血糖値の低下

ファスティング中は血糖値が低下しやすくなります。

特にファスティング前の普段の食生活で、糖質や脂質を多くとりがちな人は、ファスティング時に血糖値が乱れがちです。

低血糖になると、コルチゾールというホルモンが出て、アドレナリンも分泌されます。

交感神経優位のため、なかなか寝付けず、うとうとしてもすぐに起きてしまうといった状態に陥ってしまいます。

低血糖状態は、不快感やイライラを引き起こします。

これらにより不眠状態につながります。

このほか、ファスティング中は体に負荷がかかるので、それがストレスとなり不安感を引き起こします。

不安を抱えると交感神経が優位になり、興奮状態でなかなか寝ることができないという状態になります。

眠れなくなった時の対処法

朝日を浴びる女性

ファスティング中に眠れなくなると、心身共につらくなりますよね。

睡眠不足はあらゆる不調を引き起こしてしまいます。

うまく眠れない状態から少しでも快眠につなげるための対処法はいくつかあります。

詳しくご紹介します。

朝起きたら日光浴する

起床後に太陽の光を浴びると、眠気を誘発するメラトニンの分泌が止まり、それから15時間程度たとつ再び眠くなる仕組みが体にはあります。

できれば毎朝同じ時間に起きて、カーテンを開けて日光浴をしましょう。

最初は眠れない状態で起きるのがつらい時期があるかもしれませんが、体が慣れてくると目覚めがすっきりしてきます。

それと同時に少しずつスムーズな就寝の流れができてきますよ。

適度な運動を心がける

朝起きて日光浴をすると同時に、できれば屋外を30分程度歩くなど軽い運動も取り入れてみましょう。

軽い有酸素運動は心拍数をあげ、体温を上昇させることができます。

日中の軽い運動は体をリラックスさせ、夜間の入眠を促進することにつながります。

朝、運動をする時間を摂れない場合は、夕方から夜寝る3時間ぐらい前に軽い運動をするのも効果的です。

いずれも日中に多くのセロトニンを分泌させる行動です。

前述した睡眠ホルモンであるメラトニンが分泌されるには、セロトニンが日中のうちに体内に分泌されていることが重要です。

セロトニンの分泌量により、夜になるとメラトニンに変換される仕組みなのです。

このほか、寝る前にはパソコンやスマホを見ない、ぬるめのお湯にじっくり浸かる、瞑想や深呼吸をしてリラックスするといった対策も有効です。

ファスティング中はストレスがかかりやすくなっているので、こういった方法を積極的に取り入れることが大切。

普段の食生活が乱れている人は、ファスティングまでの準備期間を長めに取り、食生活を整えてからファスティングに望むようにしましょう。

どうしても眠れない、また眠れないことでめまいや頭痛など他の症状に悩まされるといった場合は無理せずいったんファスティングを中止するという判断も大切です。

ファスティング後の睡眠への影響について

目覚めた女性

ファスティングの最中は不眠に悩まされることがありますが、ファスティング終了後の体の変化で睡眠への影響も変わってきます。

詳しくご紹介しましょう。

眠りが深くなる

ファスティング期間中に固形物を摂らないことで、内臓を十分に休ませることができます。

それにより腸内で神経伝達物質であるセロトニンの分泌が活発になります。

腸で生成されるセロトニンは、睡眠の質を深めるメラトニンを作り出します。

それにより眠りが深くなり、質の良い睡眠を得ることができるのです。

また、眠りが深くなると、寝ている間の消化活動も休まり、その分代謝のほうに体が集中し、結果睡眠の質があがります。

目覚めが良くなる

ファスティングにより眠りが深くなり、さらに目覚めが良くなります。

腸の持つ睡眠ホルモンの生成により、深い睡眠の後にすっきりと目覚めることができる理想の睡眠サイクルが出来上がります。

寝ている間に体や脳の疲れを癒し、修復・再生につながります。

腸を休ませることで、睡眠ホルモンの生成だけでなく、免疫細胞も活性化するので、目覚めがよくなり、日中の活動も積極的に行えるようになりますよ。

睡眠の質が上がることで、集中力も高くなります。

脳にエネルギーが行き渡り、頭がしゃきっとして集中力を高く維持することができるようになります。

ファスティングで内臓を休めることにより内臓の性能が回復し、朝もすっきりと目覚めることができるようになります。

それにより、日中の活動もスムーズに行えるようになりますよ

まとめ

ファスティングと眠りについてお伝えしてきました。

食事摂取を一時的に変えることにより、眠れなくなるという反応が出てくることがあります。

ファスティング中に眠れなくなるのは非常につらいですが、対処法を取り入れたり、眠れなくても横になって体を休めるなど無理のないように取り組みましょう。

ファスティング後は内臓の働きがよくなり、それまでとは違う良質な睡眠が手に入るかもしれません。

良質な睡眠は健康のカギにもなりますので、ぜひ前向きにファスティングに取り組んでみてくださいね。